以下は、『幻獣辞典』(※著者……ホルヘ=ルイス=ボルヘス。アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの小説家、詩人)からうかがわれるア・バオ・ア・クゥーの伝承である。
『幻獣辞典』では、ア・バオ・ア・クゥーの特性として、身体全体でものを見ることができる、触れると桃の皮のような手触りをした皮膚を持つ、と伝えている。
自分がア・バオ・ア・クゥーを初めて知ったのは、安西信行先生の漫画「MAR」でだったような気がします。
……ん?それともブラックキャットの方だっただろうか。ちょっと記憶があいまいです。
自分はMARのア・バオ・ア・クゥーの印象がめちゃくちゃ強いので、すごく凶悪な生き物であるという先入観があります。でも伝承には、肌の手触りだけは書いてあるのですが、詳しい外見については載っているものがないみたいです。MARでは思いっきりでかくて凶悪な存在だったのですが、自分は小さな蟲のような生き物を想像します。そうでないと踵にくっついてなんて歩けないと思います。
余談ですが、涅槃というのは噛み砕いていえば「悟りを開いた状態」のことだそうな(正確には涅槃静寂というらしいですが)。よく間違えて使われているような気がしますが、輪廻≠涅槃です。輪廻は巡り巡って戻ってくるものなのに対し、涅槃は悟りを開くから戻れないのだと考えればよろしいかと。