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ブログ 日々の覚書とかどうでもいいメモとかそういう類のもの(の予定)
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15 . March
ア・バオ・ア・クゥー(A Bao A Qu)とは、インド、ラジャスターン地方に伝えられている幻獣。

以下は、『幻獣辞典』(※著者……ホルヘ=ルイス=ボルヘス。アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの小説家、詩人)からうかがわれるア・バオ・ア・クゥーの伝承である。

「勝利の塔」には、屋上のテラスへ通じる螺旋階段がある。
この塔の最下層には、目には見えないが幻獣……即ちア・バオ・ア・クゥーが眠っており、螺旋階段を上り始める者が現れると目を覚ます。人間の影に敏感なア・バオ・ア・クゥーはその人間のかかとを捕らえて、螺旋階段の外側をその者に付き添って登っていく。透明であったその姿は一段上るごとに色と輝きを増していき、最上段まで登ったとき、ア・バオ・ア・クゥーは完全な姿を現す。
しかし「勝利の塔」を登り切った人間は涅槃に達することができると言われており、そうなれば、その者はいかなる影も落とすことはない。つまり、ア・バオ・ア・クゥーはその人間を捉えて最上段へ上ることはできない。
完全な姿になれなかったア・バオ・ア・クゥーは苦痛にさいなまれ、色も輝きも身体も衰えていく。
まして、上っていた人間が踵を返して下り始めれば、ア・バオ・ア・クゥーはたちまち最下層まで転がり落ちて倒れ伏してしまう。
かくしてア・バオ・ア・クゥーは、「勝利の塔」の最下層で訪問者を待ち続けているのである。これまでに、ア・バオ・ア・クゥーが最上段まで上りきったことは一度しかないと言われている。

『幻獣辞典』では、ア・バオ・ア・クゥーの特性として、身体全体でものを見ることができる、触れると桃の皮のような手触りをした皮膚を持つ、と伝えている。


自分がア・バオ・ア・クゥーを初めて知ったのは、安西信行先生の漫画「MAR」でだったような気がします。
……ん?それともブラックキャットの方だっただろうか。ちょっと記憶があいまいです。
自分はMARのア・バオ・ア・クゥーの印象がめちゃくちゃ強いので、すごく凶悪な生き物であるという先入観があります。でも伝承には、肌の手触りだけは書いてあるのですが、詳しい外見については載っているものがないみたいです。MARでは思いっきりでかくて凶悪な存在だったのですが、自分は小さな蟲のような生き物を想像します。そうでないと踵にくっついてなんて歩けないと思います。

余談ですが、涅槃というのは噛み砕いていえば「悟りを開いた状態」のことだそうな(正確には涅槃静寂というらしいですが)。よく間違えて使われているような気がしますが、輪廻≠涅槃です。輪廻は巡り巡って戻ってくるものなのに対し、涅槃は悟りを開くから戻れないのだと考えればよろしいかと。

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