一般には、事故や事件に巻き込まれてその場で死ぬことを指す。具体的に「事後何分以内」などという定義があるわけではないが、よく言われるように 「瞬間に死ぬ」と言うことは現実にはありえず(何らかのプロセスを辿るには、多かれ少なかれ時間を要する)、肉体が致死的な損傷を受けることにより短時間 の間に死んだことを「即死する」と言っている。
例えば交通事故により大腿骨を損傷、大腿動脈を破損した場合、激しく出血をして、大方1分以内に失血死する。これを大抵「交通事故により即死した」と言うが、この場合でも、激しい出血によるショック状態、そしてそれに伴う意識喪失、連続した血圧低下など様々なプロセスを経ているため、決して「瞬間に」死んでいるわけではない。
飛び降り自殺により脳が壊滅的なダメージを受けて死に至ったり、極端な例では核爆発に よる強力な熱波で人が「考えるより早く」蒸発して死ぬ場合でさえ、人間の一般的な感覚からすれば確かにコンマ数秒、あるいはそれ以下の「一瞬」の時間で あっても、変化の過程をたどる以上そのための時間が必要であるため、厳密に言えば「即」「瞬間」に死に至るわけではない。
しかし交通事故の例のように事の全体、あるいは核爆発による蒸発など人間の感覚から見たらごく短時間の間に死に至った場合、便宜的に「即死」という言葉を用いるのが一般的である。